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WBS 08年10月10日(金)

トヨタ自動車社長
ロバート・A・フェルドマン
テレビ愛知 荒井千里

■ダウ 一時8000ドル割れ
日経平均大暴落
止まらない連鎖暴落
ブラック・エブリデー
迫り来る世界同時不況


世界恐慌突入か 一時1000円安

午前8時30分 東京・中央区 カブドットコム証券が移動式店舗を発表

先物 一時売買停止に

中堅の大和(ヤマト)生命保険 負債総額2695億円
大和生命保険 中園 武雄 社長
株式やオルタナティブ投資の割合が比較的高かった
サブプライム問題を契機とする世界的な資産価値低下が想定を超え、対応できなかった。

午前9時41分 東京証券取引所
8115.41円 -1042.08円。
ブラック・マンデーに次ぐ下落率。

カブドットコム証券
コールセンター いつもの3倍の問い合わせ

顧客対応の担当者
客は嘆きながらどうしたらいいのという電話が多い

アナリストは
カブドットコム証券 山田勉マーケットアナリスト
外国人が日本の株を全部売り払い、日本株の持ち高をゼロにして撤退する動きがあった可能性


東京・港区
ヘッジファンド エイト・ピーク・キャピタル
トーマス・ジュフレCOO
今日の日本株はオーバーリアクション
春以降 日本株を全て売却 ⇒ ヘッジファンドを一時閉鎖

投資資金は現金にした
ベア・スターンズの破綻を見て、今回の金融危機は単なるリスクではなく金融システムの問題と判断

今は先行きが不透明なので、いつ再開するか分からない
ただ毎日市場の動きを見ながら分析はしている

午後3時
5年4ヶ月ぶりの安値
日経平均株価、7日間で3091円下落。

商社株には買いも。
 三菱商事  +3.1%
 伊藤忠商事 +2.3%
 コマツ   +1.9%
 川崎重工  +4.9%

カブドットコム証券 斉藤正勝社長
入金や株券の入庫は連日記録を更新中
格安の報道で株取引を再開する問い合わせも急増


午後7時
麻生総理 自社株買いの制限撤廃を指示
G8の首脳会議をやる必要があれば、主催する用意がある


NY
ダウ 一時8,000ドル割れ
GM 昨日、58年ぶりの安値。今日はややあげてるが、まだ5ドルを切っている状況

米 悪化する実体経済
GM 資金繰り不安が市場で急速に高まる
株価、また下げてる

GE
7-9月期 純利益 -22%(前年比)金融事業が大きく減退、校長だった海外事業も減速
株価 下げてる


1ドル=100円前後
1バレル=80ドルを割り込む場面も

ヨーロッパの株価も今日も急落止まらず。
ユーロ、対ドル1年ぶり、対円3年ぶりの安値
1ユーロ=1.3574ドル
1ドル=135.96円


世界恐慌突入か 各国対応も効かず

住宅市況悪化 経営危機 対策

住宅価格下落    3000億ドル債務保証枠

金融機関の損失拡大 AIG救済850億ドル 不良債権買取7000億ドル

株価下落

ヨーロッパでも
イギリスの中堅銀行 一時国有化をはじめ、各国が金融機関を救済

世界全体で公的資金総額 180兆円

だが、それでも株価は下げ止まらない。

RPテック 倉部 康行 代表
中央銀行が苦労しながら対応しているがそれでも(株価が)回復しないのは
金融システムが壊れているとの恐怖感が市場の動きに出ている

リスク資産の現金化が”安全資産”の国債まで波及

長期金利 2ヶ月ぶりの1.58%まで上昇

専門家の中には、当局の対応の遅さを指摘する声も

東京大学 伊藤 隆敏 教授
後手後手に政策が出ているから
問題が明らかになってから何とか止血している
この辺りで相当大きな根本的な治療をしないと止まらない

(金融機関への)公的資本注入や国有化、預金の全額保護など
さらにその後の経営ガバナンスをきちんと変えていくのが重要


G7に先立って、中川財務大臣がポールソン財務長官と会談

中川財務大臣
日本は銀行の国有化や預金の全額保護などやってきたが、
その中で必要なことは公的資金注入。そのことをお話したい。

IMFを通じた新興国向け融資制度を提案


米 ブッシュ大統領が緊急声明を発表へ

ホワイトハウス高官 『資本注入はポールソン財務長官が前向きに検討している』
ブッシュ大統領 公的資本注入に言及する可能性も

G7 日本時間11日午前3時に開幕
資本注入や預金の全額保護など、財政出動の必要性で一致
公的関与の度合いに各国ばらつきも

東京大学 伊藤 隆敏 教授
(金融危機の)震源地のアメリカが有効な手だてを出すのが一番
具体策を示し、実行に移すことが重要
いまは世界恐慌かどうかの瀬戸際
G7で力強い共同声明や具体策が出なければ相当な失望
本当に恐慌の入り口


フェルドマン
止まらない株安 いま何が・・・

資本注入が必要だということは、必要条件であり、十分条件では無い。
日本の経験を見ると、もちろん資本注入は大事でした。
ですが、資産の価格を透明にする、というのも非常に大事でした。
竹中不安の時は、非常に大きな役割を果たして。

もう1つは、国民の指示を得ることも非常に大事
日本の場合は、注入したときに、報酬制限を金融機関にかけた。
だったら国民は納得した、ということがあったと思います。
これらは、短期的なもの。

『G7』 今回の注目点
G7が長期的な視野

実際には、長期的な青写真を作る必要がある。
監督制度の青写真。
各国がやることの邪魔にならないようなルール。
例えば、
・空売りルールを共通にする。
・資本規制の共通ルール。
・預金保険の共通ルール
邪魔にならないようにしなければ、正論がおかしくなってしまう可能性がある。
青写真を作りますよ、というメッセージが出れば、大きな進歩だと思う。


トヨタ渡辺社長に聞く『世界同時不況』

トヨタ自動車 社長 渡辺 捷昭
購買、秘書、経営企画部門などを経て05年に社長就任 愛知・豊田市出身 66歳

動きが急で、大幅なので、戸惑っている。
実体経済のところでは、個人消費にかなり大きな影響が出ている。
心理的な要素も含めて、金融不安が広がっている。
心理的な不安を、G7を中心にして早く取り除いて欲しい。

財政的な政策を急いで欲しい、とかではなくて、
もう少し金融不安だとか、今の信用問題の、不安定なところを信用注入も含めて、不安材料を取り除く政策を、具体的に効果的にうってほしい。

トヨタ業績
      当期見通し(08/4-09/3) 前期実績(07/4-08/3)    増減
営業利益   1兆6000億円   2兆2703億円  -6703億円(-29.5%)
為替レート
ドル      105円       114円       9円の円高
ユーロ     161円       162円       1円の円高


我々の想定より、はるかに円が高い。ユーロも変わってきている。
経営に与える影響は大きい。
我々の舵取りの中では難しい。
乱高下は避けて欲しい。


■ニッポンの製造業 新世界への挑戦 WBS in 愛知
高品質 made in Japan

一気に逆回転に入った
金融危機、円高、原油高

生き残りのカギを握るのは新興国

業種別の経常益増減率
全産業 -16%
自動車 -23%


”ニッポン”製造業 逆境を乗り越えろ
パリモーターショー
小型車が。

原油高
トヨタ渡辺社長
一気に逆の回転に入った

トヨタの米国販売 今年に入って、前年割れが続く
10年ぶりに大幅減産 995万台⇒950万台

下請けにも。
”ミリ単位”の無駄も見逃さない
生産ラインも昼間でも停止
生産ラインの大移動
離れてると、それだけ時間もかかる。
徒歩が少しでも、半歩でも縮めて、無駄の無い動きをなくす
半歩で1秒
動線の変更

今からは減産なので、無駄な作業を省くとか徹底的にそれを進めるだけ

追い風
愛知製鋼
試作中の製品とは?
マグファイン磁石
強力で薄いものは、我々だけ

自動車などのモーター向け。自動車など向け

モーターの大きさを半分に。

ハンドル、ドアミラーのモーターとして引き合いが殺到。

生産を2年後に5倍に伸ばす予定。
製造方法は愛知製鋼が6年前に発見
手作りで成功に。GMも研究してたけど。

愛知製鋼電磁品事業 本蔵義信副本部長
欧米の研究は原理に強く、我々は現場に強い
手作りの装置だから微妙な条件も見つけられる。
研究の中心人物が直接携わる。現場でやっている。
これからもどんどん日本の強みが出てくる。

現場の力。


渡辺社長

逆風下 製造業の底力
これから先、きっと明るくなるぞと期待しながら、我慢の時期
特効薬、奇策はなかなか無いのでは。
市場が低迷している中で、
入るをはかりて出を制する
入るをはかる:よい商品、きちんとしたサービスを提供する
出を制する :徹底的に無駄を排除していって、出て行く無駄を徹底的に抑えていく
これが大原則。それを愚直に地道に進めていくことが重要では。

フェルドマン
研究と開発だけでなく、量生産をしてはじめてものづくり。
縦割りになる可能性は?

トヨタ渡辺社長に聞く 製造業の未来
渡辺社長
研究・開発する人と量生産する人とで、チームとして機能していくのが大事
とっても作りにくいものが出てくることもある。
設計変えて、とか。こういう作り方するから、こうしては?とか。
仲良く喧嘩しろ
相互の議論、中身がとっても大事

フィルムで紹介されていたようなことが、たくさんある。
現場が強いのがいい
半歩でコストダウンできる
ああいう力が、日本にはとてもある。それが設計のほうにもフィードバックできる。
チームとしては、開発、生産技術、製造の舞台。多くの取引先、仕入先。販売やサービスの人たち
お客様に視点を合わせ、どういう製品を出せば喜んでもらえるか、それをいつも考えながら、開発や生産にフィードバックして作っていけるというチームがうまく出来ているのが、日本のものづくりの強さだと思う。


新興国市場

06年世界の自動車販売
アメリカ2.2%ダウン、
日本 1.9%ダウン
欧州 1.5%上昇

BRICs 23.6%上昇

インド市場
モータリゼーションの波

”ニッポン”製造業 激戦”新興国市場
収入は月9万円

市場は5年で倍増
乗用車市場の7割が小型車

マルチスズキ シェア45.9%
”小型車”を制するものがインドを制する

タタ『ナノ』
25万円カー
シェア 14.7%(2位)

販売会社
共有台数にも寄りますが、月に1000台売ることも可能。

ホンダ
フィットの投入、さらに小型の車も。

日産
2500ドルカーを地元のバイクメーカーと組んで開発中

ニーズにあった車を開発できたところだけが生き残れる。
全社は生き残れない。

トヨタ
カローラ大きすぎる
高すぎる。


小型車王国
小型車が7割

トヨタ社
主力車種は2車種で、カローラとイノーバ

カローラは270万円から。高級車。

トヨタのシェアは3.5%

インドの新車販売7-8月2ヶ月連続減

もし小型車があれば、これらの層を取り込める


渡辺社長
2010年インド、2012年ブラジル 新工場 小型車生産

バンガロー
トヨタの工場
第2工場 2010年稼動予定 新型小型車生産予定
廉価な安いコストを意識した生産


朝長工場長
日本やグローバルな工場に比べ、動きが遅い。7-8割。
いかに効率を上げるか

”カイゼン”
1人が組み付ける部品がまとまった箱

数パーセント 4-5%上がっていると思う

人づくり

トヨタ工業技術学校
日本流の技術を叩き込む
研修は3年間 学費は無料 全寮制で130人
厳しい規律も教育方針

日本車は非常に品質がいいです
僕たちもそれに見合うように安全・品質面に気をつけて頑張らねば

ひらがなの勉強も

いろいろなものづくりを学んで、自分自身の手でよい車を作りたい

渡辺社長 新興国市場 その未来・・・
インドは大変重要な市場
今は、70人に1人の保有率。
新興国も将来の市場として大変有望
世界で9億台、10年には10億台、2020年には15億台とも。
環境、安全などをしっかり確保した車が必要

かつてはデカップリングと言う話もあったが、じわじわと影響が出ているのが実感

自動車産業の未来
1年くらいでラインを変えるスピードが必要
ピックアップが一気に市場としては小さくなった。
トラックは、将来としてあると思うから、残しながら、小さいSUVとかも生産できるラインにしていくことが重要
2年では遅い。


■フラッシュ・ニュース
・高島屋と阪急阪神 3年以内に経営統合へ
・小沢民主党代表 『小選挙区で最低150議席』


■米大統領 公的資金注入を示唆
ブッシュ大統領 緊急会見

緊急経済安定化法によりあらゆる対策が可能
不良債権の買取や銀行の株式購入も可能だ
アメリカの金融機関には資本が足りていない。先日成立させた金融安定化法を活用し、最大のインパクトを出すため、なるべく早く行動する
金融機関に資本注入する具体的な方法や時期には触れず


■いつの時代でも、トヨタにとって恒久的なキーワードは
いつまでもどんなときでも健全な危機意識を持ち続けること

我々の生き残りは、環境、エネルギー、安全、感動だと思っている。
その中の第一の環境は、走れば走るほど空気がきれいになる車を作りたい、という夢の車
交通事故にあわない安全な車
一度満タンにしたら世界一周出来る車
乗ると健康になる車


そういう技術開発をして、お客様にしっかりしたサービスで提供する。
それをチームでしっかりと出来るのは、日本ではないか
そこから情報発信を世界にすることが大事。

経済状態が悪くても、しっかりと世界で生き残っていく条件とは
しっかりと技術開発をし、お客様目線でよい商品を提供することに尽きる
そういう技術開発をしていって、世界の皆さんに提供する。あるいは必要であればそういう技術をいろんな方にも分かち合うという考え方がとっても必要では。
それが重要では

今は、そういう時代になったのではないかな、と。

いいものづくりをする。

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2008年10月10日 23:59に投稿されたエントリーのページです。

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